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啐啄迅機とビリギャル

 見上げてごらん夜の月を~月は38万㎞先から光の速度(秒速30万㎞)で地上に届くと1~2秒ほど前の過去の姿で見られる(地球と月の距離変化あり)。

 月の大きさを具体的に言葉で伝えるとなると難しいが、満月の夜に50円硬貨を月に向け腕いっぱいに伸ばして、硬貨の穴に重ねてみると月がサイズぴったし穴の大きさに収まる。

 

 ヒナ鳥が卵から~もうすぐ出るよ~と殻をつつく音が啐。

 親鳥がその音を聞いて~さア出ておいで~と殻の外側からつつく音が啄。

 禅問答のひとつ『啐啄迅機/そつたくじんき』迅機は機敏な働き。師と弟子との呼吸がぴったし合うことを意味し、借時明機に『学人啐す、請う、師啄せよ』とも。学問を「習いたい」「教えたい」双方の意欲が同時に合う「啐啄迅機」。

 一冊の本が目についた。「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」坪田信貴著。小論文と受験対策のコーナー2か所に分けて置いてあった。

 本を一日で読み終えてレンタル店へ有村架純主演映画「ビリギャル」を鑑賞。

 英単語Strong(強い)を(日曜日)と答えるなど小学4年生程度の学力の高校2年生のさやかさん(元:札幌新陽高校)と塾講師との出会いから、独特な学習の仕方と心理学を使って短期間に偏差値30から70まで上げて、日本最難関の私立慶応大学の受験に挑み合格した奇跡的実話。

 偏差値30から70に上げるとは50m走10秒で走る子に5秒で走りなさいと言うくらい無理難題。受験には超ノウハウと超近道が必要。

 英語長文や英文法、英和辞典の効果的な使い方リスニングなどや、小論文の過去問題を駆使した攻略法、日本の歴史は漫画シリーズといった小学生が使用する教材も有効活用。

 印象的な言葉に「ダメな人間などいないのです。ただ、ダメな指導者がいるだけなのです」いるよネ~、ダメな…。

 大学や各種専門学校、職業専門校、更生施設などで講習する機会がある中、啐と啄を瞬時に聞き分けられるように心掛けたいと自問自答。

 

PS:野球中継、TVとラジオを同時視聴するとラジオ中継のほうがTV中継(デジタル放送)より1~2秒ほど早く試合を知ることが出来る。月からの中継放送ではないのだ。【田所】

 写真:㈱KADOKAWAアスキーメディアワークス